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- 食器の方向性、和食器と洋食器②
日本は美しい国で四季を大切にしており、例えば和菓子ひとつにしても、その季節に相応しいモチーフで作られています。
春であれば菖蒲や桜を模したもの、夏であれば朝顔などがよく見かけられます。また、夏の暑さが厳しい時には涼を感じさせるように葛を使った透明感のある菓子などで人の心を和ませていますね。
実は和食器にもそのように柄や形、色で季節感を持っているものがあります。春の草花文様が描かれ、ピンクや若草色といった春らしい色合いを持つもの。水を思わせる硝子や青といった涼しげな色で夏の厳しい暑さを和らげるもの。そして、色合いだけではなく、春よりも夏の器の方が食器自体の厚みが薄く、硬質なイメージを持たせるものが多くなります。
秋には葡萄やこっくりとした深い色使いで、秋の深まりを感じさせ、冬には雪笹や椿、水仙といった凛とした美しさを感じさせるものが多いです。
厚みについては春や夏に比べて厚みが厚くなり、料理の熱を逃がさないように浅い食器ではなく、深さのある形のものが多くなっていくのです。
時知らずと呼ばれる季節に関係のない食器もありますが、このように和食器は形状、材質で風情を感じさせ、見る人の目を楽しませる事ができるというのが特徴だと言えます。
それでは、今度は洋食器について触れていきたいと思います。
洋食器を使用する場合は、白単色の食器を使う事をおすすめします。
どんな食材を乗せても色が際立ち、食器との相性がほとんど関係なくなるので非常に使いやすいです。
店の雰囲気を選ばないというのも特徴のひとつで、例えばフォーマル、カジュアル、ナチュラルといったように幅広く対応させる事ができるようになります。
また、うどんの盛り付けについてもリムの幅を変えれば、盛付範囲も変わるので、ボリューミーにもエレガントにも印象を変える事ができ、サイズ違いの食器を重ねることで、スタイリッシュな演出をすることもできるようになります。
洋食器は食器自体をシンプルに見せることで、そこに盛り付けた料理を引き立てる、いわば名脇役と言えるでしょう。
以上のように食器ひとつで、うどんなどの麺料理も全く違った表情を見せ、その店の雰囲気を表現する存在となります。
なので、コンセプトが決まれば、自然と自分の店ではどのような器を使うべきなのかという方向性も決まってきます。
特に女性をターゲットにしようと考えているのであれば、よりこだわりのある食器を使用することをおすすめします。
続いてはNo6へ、、、