うどんの画像

連載全2回のうち第1回目

作成:讃匠 麺研究センター

最新情報、ノウハウ、テクニックへのアップデート

目次

マンネリ状態からの脱皮、最新の情報、ノウハウ、テクニックで再武装する。

長く営業していて、店主が店内にこもっていると、マンネリ化して、最新情報から取り残されてしまう現象が起きています。
最近、うどん学校、ラーメン学校への参加者の中で、長く経営を続けていて、いつしか売上が伸びなくなったので、 現状をリセットし、再度繁盛店にしたいとの熱い思いで、参加される方が時々見受けられます。
実は、私も大和製作所の経営を48年間、讃匠の経営を39年間やっていると、いつの間にか、マンネリになり、 最近は反省することが沢山あり、現在は、大和製作所、讃匠ともに、いろんな点でリセットしているところです。
先週はうどん学校を20年近く前に卒業し、北海道の湧別で非常に成功したうどん店を最近引き継いだ後継者が参加しました。
初代の経営者は、定年まで地元企業の役員をされ、うどん店がしたくて開業された方で、非常に熱心な方だったのです。
うどん学校で習ったことを忠実に実行され、人間より動物の数の方が多いような大変辺鄙な場所にも関わらず、 開店告知を一切しないで、開店したのです。
すると、開業日初日の来店者はほんの数人だったのですが、1週間後の日曜日には50数名に増え、 春頃開店したのですが、夏休みには200人以上の来店があったと聞いていました。
そのように、地元では非常に繁盛したうどん店であったのですが、体調が続かずに、後継者に譲り渡すようになったのです。
後継者の方も非常に活発な方で、学校参加中に、参考になるいろんな話を聞かせていただき、 20年近くの時間の経過の重みをひしひしと感じさせられたのです。
当社のうどん学校も20年前に指導していた内容と、現在指導している内容は大きく異なります。
この20年間で、当社の麺学校自体の進化、世の中の変化に併せての大きな変化があります。
ところが、最新の現在の麺学校の様子を過去の卒業生に十分に届けることが出来ていないのです。
また、学校を卒業して新規に開店し、それなりに成功すると、自分の成功パターンが染みついていて、 それから抜け出すことが出来ずに、いつしか世の中の流れから取り残されている事例もたくさん見てきました。
このような事例を見て、今後の麺学校の在り方について、大きく考えさせられました。
今後の当社の麺学校の課題は、卒業した生徒さんに常にアップデート出来る情報を届け続け、 生徒さんが地域一番店として、勝ち続ける状態を作ってあげることが重要だと言うことが良く分かりました。
尚、今回のうどん学校は、国外では、オーストラリアで開店予定の生徒さん、スイスで開店予定の生徒さん、 国内では北海道、群馬、長野、大阪と各地からのバラエテイ豊かな参加者が多く、全員が非常に熱心な生徒さんでした。
学校中もお互いに助け合いながら、授業を受け、全体としてみると、内容の素晴らしい学校だったと思います。
今回のメルマガのテーマは、先週のうどん学校の生徒さんからの経営講義の授業中の質問を取り入れながら、 今後の麺ビジネスの在り方について、深く切り込んでいきます。

A. お客さまに喜んで頂いて、価格を上げるにはどうすれば良いか

この質問は、近々オーストラリアで開業予定の生徒さんからの質問でした。
この生徒さんはオーストラリアの標準的なうどん価格(豪州$25、約2500円)と価格設定していたのですが、 事業計画書でのチェックを入れていった折に、私はデイナーの価格を1.5倍~2倍の4千円に設定したのです。
すると、生徒さんより上記の質問があったので、それに私は回答したのです。
一応、付加価値とニーズとの関係で説明したのですが、再度、下記のように詳細に説明します。
これを、最も分かり易く説明出来るのは下図のようなニーズ(顕在、潜在)と付加価値の関係です。
これから、コロナ後の新しい生産性を高めなければいけない時代にわれわれが最も考えなければいけないのは、 付加価値を高め続ける戦略です。
お客さまが、その価格は価値があると判断して、喜んで払って貰える付加価値を届けることなのです。
それを説明するために下図を参考にしてください。

顧客のニーズを満たすための心得
顧客が求める価値基準は、主に以下の4段階に分かれているといわれます。

1.取引の基本となる不可欠な「基本価値」
2.取引で顧客が当然期待する「期待価値」
3.期待はしていないが、あれば高く評価する「願望価値」
4.期待・願望を超えて喜びに値する「予想外価値」

「基本価値」と「期待価値」は取引をするうえで当然求められる対価で、市場活動に最低限必要なラインです。

ただ顧客のニーズを満たすだけでは、いつ顧客が競合他社に取られてしまうか分かりません。したがって、顧客のニーズが多様化している現代社会では、従来の「ただ、顧客のニーズを満たす」だけでは不十分なのです。
ニーズのその先にある顧客の「願望価値」と「予想外価値」を考えて訴求していくことが、 顧客との継続的な信頼関係を築く第一歩です。

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