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連載全4回のうち第2回目

作成:讃匠 麺研究センター

売上と利益を上げる盛付方法

目次

1.盛り付けの本質

盛り付けの本質とは、

①基本(スタンダードな料理の前提条件)が出来た上での、期待以上、感動、驚きであり、
看板商品(ベストセラーであり、ロングセラー商品)を作り上げること

②盛り付けとは、商品力アップのためのひとつの手段であり、
商品の魅力度アップのための手法

そして盛り付けの意味とは、お客様にとって
味だけでなく、見た目等、五感を通して、料理をより楽しむ手段であり、
エンターテイメントの要素が大きいです。

料理人にとって自分自身の技量を含めて、自分の持つすべての持っている能力の表現の場でもあります。
お店のオーナーにとって盛り付けの魅力により、お客様をたくさん集客することで、収益の源泉になります。
プロの商品には美味しさだけでなく、見た目のインパクトときれいさが必要です。

以前は、料理が美味しければ、飲食ビジネスは成功する時代がありましたが、
今は料理が美味しいのは当たり前で、
盛り付けのきれいさが飲食ビジネスの成功に大きく影響してくるのです。

①コンセプトの明確化

コンセプトと盛り付けの方向性には一貫性が必須で、重要なポイントとなるのです。
コンセプトとは、お客さまの問題を解決する自店独自の方向性を明確にすることです。

有名な事例では、スターバックスの第三の場所があります。
一見すると、スターバックスはコーヒー等の飲料を販売し、利益を上げるビジネスのように見えますが、
コーヒー等の飲料販売は手段であり、ビジネスの本質は第三の場所の提供で、お客さまの問題を解決しているのです。

従って、ラーメン店にとって、ラーメンは手段であり、
本来のコンセプトはお客さまの抱えている問題を解決することなのです。
これは、非常に難しい問題ですが、これを明確にするほどビジネスは成功し、
大和ラーメン学校でもこれには力を入れて授業を行なっています。

コンセプトとは、ビジネスの本質であり、ベースになるのは、あなた自身の価値観であり、使命です。
価値観で、自分がやりたいことを明確にして、次に使命で、多くの人たちに役立つことを考えます。
コンセプトは、それらを実際にビジネスに落とし込み、使命、価値観を何で表現するかという項目に当たります。
コンセプトを明確にすれば自動的にお客様(ターゲット)も明確になり、その人の問題解決のためにはどんな商品、
盛り付けをすれば良いかが明確になってくるのです。

例えば、「健康志向の女性」をターゲットとする場合、野菜ばかりとか、肉ばかりの盛り付けではコンセプトからブレてしまいます。
このようにコンセプトと盛り付けの方向性には一貫性が必須で、重要なポイントとなるのです。

〇コンセプトを明確にするための要素

①お客さまの明確化 (使命、価値観、コンセプト)
お客様が持っている価値観の差、ライフスタイルが重要な要素であり、これはすべて、最初に設定し価値観に紐付けられます。

一般的に飲食店における価値観での成功事例は、昔から有名なのはマクドナルドのQSCです。

Q Quality品質、商品力
S Serviceサービス
C Cleanliness清潔、衛生的

(注記)以上の価値観に於いても、順序が大切で、順序の違いでお客様が変わります

参考) マクドナルドが全盛の時代はQSCだけで良かったのですが、
現在の飲食ビジネスは更に複雑化し、
VQSC+E(Effecincy)+V(Value)+E(Entertaiment)となっています。

Effecincyは、効率の追求で、これは店側の都合であり、お客様への貢献ではありません。

Valueは価値で、支払ったお金とお客様の満足感の関係で、
価値が大きくなればなるほど、お客様の来店数が増えてきます。

過去の事例で、Valueが2倍になると、お客様の数は5倍になります

Entertaimentは、楽しさの演出で、実演自家製麺、オープンキッチン等もこれに当たります。
盛り付けの綺麗さもエンターテイメントに繋がります。

 ②季節の配慮 (温度帯)

現在は、地球温暖化の影響で夏はより暑くなっています。
そして、ラーメンでは今までの熱いスープのラーメンから、
徐々につけ麺、混ぜ麺等、あまり熱くないラーメンに移行しています。
従って、夏でもつけ麺とか、混ぜ麺を楽しむお客様が増えています。
反対に暑い夏の暑気払いに、唐辛子の効いた赤いスープの辛いラーメンも好まれています。
この様に、季節を配慮したメニュー作りも重要な要素です。

③ランチ(軽い)、デイナー

過去、ラーメンとか麺類は軽い食事としてランチ需要が多かったのですが、
これからはランチだけでなく、デイナーを狙ったビジネスも重要な要素になってきます。
大きなトレンドでは、人びとはだんだんと自宅で食事を作るのを省く様になっています。
デイナーも当然で、この市場規模は大きいのです。

④イートイン、テークアウト、デリバリー、ECコマース

今までは、ラーメン店は、外食産業の一部で、イートインだけに頼るのが当たり前だったのですが、
アフターコロナでは、イートインだけでなく、テークアウト、デリバリー、ECコマース等、
あらゆる食のジャンルを狙ったビジネスが可能になり、ビジネスの幅が非常に広がります。

⑤地球温暖化の影響による健康志向の高まり

過去、ビーガンとか、菜食主義は、一部の健康志向の人たちだけの志向だったのですが、
SDGsから始まり、地球温暖化を防ぐための世界的な大きなムーブメントして、
ビーガンが当たり前になってきています。
特にビーガン料理は、宗教、人種、食の課題を抱えた人たちの
誰でも平等に食べることが出来るので、
急速に広がっています。
ビーガンと共に、ハラルへの対応も重要な課題になって来ているのです。

次に上記2で見つけた、自分の強みと麺ビジネスの強みを組み合わせてみましょう。
まず初めに、参考的な事例を紹介します。
大和ラーメン学校の卒業生に元吉本興業のお笑い芸人で、 現在はタイのバンコクで人気ラーメン店シェフの井上さんという方がいます。
彼は最近、Bangkokで活躍している日本人シェフとして、 2つ星の寿司のシェフ、1つ星の寿司シェフと一緒に雑誌に取りあげられました。
1人、1人のために料理を作るエンターテイナーメントレストランで、 世界で一番、料理の遅いシェフと呼ばれています。
開店して1.5年ですが、Bangkokでは有名人になっています。
彼のエンターテインメント性と、料理の技術が組み合わさった時、ビジネスが大成功したのでしょう。

私、ロッキー藤井の事例もお話ししましょう。
まずは、自分自身の履歴書を書き、自分の強みを徹底的に理解しました。
例えば、私の場合は、幼少のころから、物作りが得意で、
小学校時代から模型飛行機作りに熱中し、学校も高松工業高等専門学校に入学しました。
飛行機が好きだったので、川崎重工航空機事業部に入社し、合計6年間、飛行機と造船の設計に携わりました。
川崎重工をリタイアー後、機械設計業を始め、徐々に製麺機のメーカーになりました。
従って、私の好きな道、好きな仕事に取り組んできました。
機械の開発は、勘の世界ではなく、すべてが数値、 すなわち、デジタルなので、
麺学校を始めたときは、デジタルクッキングを始めました。
その結果、無添加、無化調で、美味しい麺、スープ、料理を簡単にマスター出来る方法を開発し、
それを現在のe-learningに活かして、今後のDX時代に活かせる仕組みを作りました。
私の人生を振り返ってみると、一貫して、物作りの延長線上の人生だということが分かります。

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