連載全6回のうち第3回目
作成:讃匠 麺研究センター
① 創業期のあり方 ⇒ 文字通り、がむしゃらに働く個人経営の時代で、ここで重要なことは、ビジネスの目的の明確化です。
創業期は、まだ売上も小さく、或いはほとんどなく、経営者自らが夜も寝ない様にして、
がむしゃらに自ら身体を動かして働いていかなければならない時期です。
この時期は事業として成立するかどうかも不明で、企業ではなく、個人経営の時代です。
私自身も創業期は、年中無休365日、寝ない様にして働いていました。
子どもたちの授業参観等も全て家内任せで、一切出たことはなく、
子どもたちと一緒に遊んだ様な記憶もほとんどありません。
そして、徐々に従業員が増えていきますが、
まだまだ経営者がオールマイテイで1人何役もこなす時代です。
経営者自身が営業をし、働き続け、資金調達全てを行わなければなりません。
そして、このような時期は、ビジネス・オーナーがある程度若く、
体力がみなぎっていないと出来ないのです。
この段階では、社員たちの教育、業務を仕組み化することは、ほぼ不可能です。
創業期に行ったことで、今、振り返ってみると、
このことが、当社がこの業界で生き残ることが出来た原因の1つになっています。
それは、事業の目的を明確にしたことです。
私の場合は、香川県という地の利を生かし、小型製麺機市場に参入したことです。
更に、小型製麺機市場でトップになると宣言したことでした。
これで、創業当時の当社の目的が明確になったのです。
これは、創業5年以内のことでした。
売上規模は1億円に届かない程度でした。
② 極小規模の企業化へ ⇒ 個人経営から徐々に企業経営へ ⇒ 使命の明確化
創業当初は、私は自分の専門分野を活かせば、十分にやっていけると思って起業しました。
ところが、実際のビジネスでは、仕事を獲得する事の難しさを、嫌というほど実感させられました。
当然、マーケテイングとか、営業の知識はまったくなかったので、
起業してからは失敗しながらの学びでした。
更に、経理、財務、総務等のことも全く分からず、
最初は家内が家庭の家計簿の延長線上で経理処理を行なっていました。
全てが手探り状態で、そのうち、社員が徐々に増え始め、
少しづつですが、会社としての初期の状態が始まります。
この時代もビジネス・オーナーは年中無休でがむしゃらな働きの連続です。
私はこの時代、年齢が30歳を超えた頃で、子供が、2人いました。
そして、常に資金繰りの心配をしながらの経営でしたが、
一方で、製麺機の販売を南九州から始め、九州一円を新しい営業員に渡し、
次に関西地区の販売を同じように行ない、新しい営業員に任せ、
創業10年後には、関東圏の営業を始めていたのです。
そして、少しづつではありますが、組織の形が出来始めたのがこの頃です。