連載全6回のうち第6回目
作成:讃匠 麺研究センター
5.世の中の大きなトレンドを理解し、未来に先回りする⑨からの続きです。
⑩宅配、デリバリー
麺専門店では、店内飲食と併せて、
出前をやっている店が未だ多いのが、現状です。
昔は出前を並行して行うことで潤っていましたが、
現在はこのような店が苦戦しています。
その大きな原因は、人件費の高騰です。
例えば、私が川崎重工に入社した40年前の初任給は2万円でした。
20年前の大卒の初任給は20万円で、10倍になっています。
これにより、出前が一気に苦しくなったのです。
ほとんどの店は店内飲食の値段と出前の値段を同じにしています。
その上、丼を引き取りに行きますから、
この人件費の負担は出前が増えれば増えるほど、厳しくなってきます。
ところが一方で、少子高齢化により、お年寄りが増え、
出前への要望が増えて来ているのも事実です。
従って、出前だけを専門とする業態が増えています。
成功事例としては、ピザの宅配、すしの宅配では、「銀のさら」です。
客単価も高く、ピザはワンウエイで、「銀のさら」は高級感があり、
価格も高いのです。
だから、今後は、店内飲食と出前を別事業をして取り組むことで、
収益性の高いビジネスモデルを作り上げることが可能になります。
⑪格差の拡大
多くの人達は自分のこだわりを優先し、
それ以外は節約する生活を選ぶようになりました。
特に、サラリーマンの小遣いは、
23年前のバブルのピークの翌年をピークにして、
現在は当時の半分以下になっています。
だから、最近のサラリーマンの昼食単価は限りなく
ワンコイン(500円)に近づいています。
成功事例として、ユニクロとか、丸亀製麺です。
安い価格にも関わらず、商品力は決して悪くなく、
十分に満足できるレベルです。
だから、お客様として、決して、サラリーマンをターゲットにしないことです。
サラリーマンをターゲットにすると、
丸亀製麺等とまともに競争することになります。
日本の社会の先を行っているアメリカは、完全な二極化に分断されています。
これからは、この格差社会を見据えた店舗戦略が大切です。
⑫消費者の選択眼はより高度になった
インターネット急激な発達により、
消費者は常に最新の情報に接することが簡単に出来るようになり、
本来であれば、店主の方がプロであるべきなのに、
お客様の方がはるかに詳しいような逆転現象が起きています。
そして、豊かな情報に触れることが出来る消費者は、
厳しい選択眼を持つようになりました。
その結果、強い店とそうでない店の落差が激しくなりました。
トップと2番手以下の差が大きく開くようになりました。
だから、トップを目指すことと、
プロ中のプロであることが成功の大きなカギです。
⑬モノの充足から、心の充足の時代へ
モノの充足から、心の充足の時代への変化が現れたのが、
33年前の1980年のことでした。
既に、心の時代になってから久しいのですが、
われわれのほとんどがこの事実を理解していませんでした。
これからは物質的ビジネスの右肩上がりの経済状態は無理ですが、
心の充足では右肩上がりの高度成長期を迎えているのです。
このことを理解することにより、
われわれのビジネスを大きく変えるチャンスがあります。
典型的な成功事例としては、デイズニーランドです。
他にも、長野県の中央タクシーとか、レストランビジネスでは、
新丸ビル7階のリゴレット等も素晴らしい一押しのレストランです。
以上の大きな時代のトレンドの変遷の理解と真剣な取り組みが、
われわれのビジネスを大きく変えることと思います。
ビジネスで1番成功するのは先回りすることです。
多くの人が先に成功している店の真似をして、追いかけるから成功しません。
世の中には、大きな方向性があります。
その方向性の先回りをすることが成功の近道です。
例えば、現在アルコールを飲む人が減ってきて、健康に気を付ける人が増えています。
それを見越して、先回りする必要があります。
香川県にはたくさんのうどん屋があり、値段も安いです。
多くの人は、同じような店を出そうとするでしょう。
同じことをしていては、成功しません。
人の真似はせず、自分の頭でしっかり考えてビジネスをすることが重要です。
但し、大きなトレンドに注目し、
決してその時々のノイズ(ブームのような一時的な現象)にとらわれないことです。
6.何重にも、もしもの時の対策を張り巡らせる
もしもの時の対策で最も効く対策は何でしょうか。
今は、世界で成功している多くの経営者も、
もうこれでダメかというような局面を経験してこなかった経営者はいないのです。
おまけに何度も何度も経験しているのです。
そのようなもしもの時に、生き残ることが出来た原因は何でしょうか。
そのようなときの備えは行く重にも張り巡らせることにより、
永く生き残ることが出来るのです。
私の拙い経験からそのような場合のための予防策を以下に記しておきます。
1) キャッシュの備蓄:キャッシュがあれば、どんなに赤字になっても生き延びることが出来るのです。
2) 信用の積み重ね:お客さま、従業員、利害関係先、社会、あらゆる先への信用を積み重ねる。
3) 起こり得る可能性のある未来への対処:当社の場合は、東京直下型地震、東南海大地震への備え
4) ビジネスの足を一本足ではなく、さまざまなビジネスの展開:コロナのような事態の回避のため
5) 人への投資:生き延びる力を持った人材への投資
7.まとめ
AIを活用した麺ビジネスを成功させるためには、
以下の点に注意することが重要です。
①顧客ニーズをしっかりと把握する
AI技術を活用して、顧客のニーズをしっかりと把握することが重要です。
顧客の好みや要望を分析し、
それに応じた商品やサービスを提供する必要があります。
②AI技術を適切に活用する
AI技術は万能ではありません。
AI技術を適切に活用し、人間の知恵と経験を組み合わせることが重要です。
③倫理的な問題に配慮する
AI技術を活用する際には、倫理的な問題にも配慮する必要があります。
例えば、顧客のプライバシー保護や、
AI技術による偏見や差別が発生しないように注意する必要があります。
AI時代を生き抜くためには、AI技術を活用して、
常に新しいアイデアを生み出し、顧客に新たな価値を提供することが重要です。
AIの進化を理解し、ビジネスに活かすこと。
そして、AIに代替されない人間ならではの価値を提供し続けること。
これがAI時代を生き抜くための鍵です。
柔軟な思考と継続的な学習を心がけ、未来のビジネスチャンスを掴みましょう。