うどんの画像

連載全3回のうち第2回目

作成:讃匠 麺研究センター

国内の麺ビジネスも伸びている店舗はグローバル化対応-2

目次

1.お客様のニーズ・体験イベント

新型コロナウイルス感染症の影響により、インバウンド客のニーズ は 変化 しています。
インバウンド客だけではありませんが、特に衛生面への意識が高まっているようです。
1人旅や少人数旅が増加しています。 また、体験型のサービスが求められています。
インバウンド客は日本らしい体験が大好きです。
日本を訪れた目的は、日本の文化や歴史を体験したいと考えているのです。
ここで重要なのは、「あなたのお店の強みを利用した、ここでしか体験できないこと」をする必要があります。 これを深く思考して対策を立てることにより、あなたのお店の個性が際立ち、 インバウンド客だけでなく、国内のお客さまも狙えるのです。

例えば、麺打ち体験や、天ぷらなどの和食の作り方を学ぶイベント、ラーメン料理体験など、 日本の代表的な料理である和食を自分で作って食べることで、日本の食文化を体験することができます。
その他にも、茶道体験やサムライ体験など、 様々な体験イベントが人気なため、 あなたの麺ビジネスとのコラボレーションであなたの店でしかできない体験を提供することが可能です。

また、他の観光施設や宿泊施設、交通機関と連携することも良いでしょう。
更に、インバンド客の集客において、日本の飲食店の強味の1つが、現在の円安です。
対ドルでは160円、対ユーロでは170円と円安が強まると共に、インバンド客にとって日本の外食の価格、 あらゆる日本の価格が非常に安く感じるのです。
従って、インバンド客を多く取り込んでいるうどん店等でも、非常に強気の価格設定をして、 大成功している店舗があります。
ほとんどの海外では、ラーメン1杯の価格が、3千円が当たり前の状態なので、 本場の美味しい日本のラーメンが千円程度で食べられるのは、インバンド客にとっては驚きなのです。  

2.ターゲット客を明確にする

自店の特徴、強みが生きるようなお客さまをターゲットにすることです。
われわれが想像している以上に国々で、好む味の違いが大きいのです。
要するに、どのような国からの観光客をターゲットにするのかを明確にしましょう。
上記の様に、国によって味の方向性が違うからです。

・暑い地域
スパイスやハーブを多用した刺激的な味付けの料理が好まれる
例:東南アジア料理、インド料理

・寒い地域
脂肪や糖質を多く含む高カロリーな料理が好まれる
例:エスキモー料理

要するに、どこの国の人たちをターゲットにするかで、 味付け・メニューは全く異なってくるのです。
ターゲット分析をしっかりして、それに合うメニューを考案しましょう。

3. メニューを充実させる(多様性・多文化性)

メニューを充実させることで、インバウンド客の満足を向上させることができます。
インバウンド客を集客するには、言語の壁をクリアする必要があります。

①英語や中国語などの多言語メニューブックを用意する
店内のメニューブックを英語・中国語表記にするとよいでしょう。
あるお店の事例を紹介しましょう。 人手不足の中、インバウンド客がたくさん来店し、 メニューブックを見ながら、店員にメニューの説明を求めることが多くなっていました。
メニューの説明に時間がかかり、厨房ではさらに人手不足になり、 料理をお客様の運ぶ従業員が不足してしまったのです。
その結果、お客様に長時間待っていただくことになり、 クレームになりました。
そこで、メニューブックをすべて英語・中国語表記に変更したところ、 オーダー時間は半分になり、お客様を待たせてしまうことがなくなったそうです。

②写真付きのメニューブックを用意する
英語・中国語表記に直すだけではなく、写真付きメニューにすることによって さらに分かりやすくなります。
写真付きメニューのメリットは、写真を見ることで 、 お客様は味や量、盛り付けなどを具体的に想像することができます 。
料理の内容が複雑な場合には、写真付きメニューは非常に効果的です。
文字だけより、「食べたい!」欲が湧きやすいのではないでしょうか。
また、注文ミス・クレームの減少に繋がります。 誤解や注文ミスを防ぐことにも効果的です。