連載全3回のうち第1回目
作成:讃匠 麺研究センター
事業計画書は何の為に作成すると思いますか。
それは本当に魔法の杖の様なツールであり、ビジネスの設計図なのです。
ビジネスとは、感性の世界と厳密な数値の世界の両立で成り立ち、 どちらが欠けても、ビジネスにはならないのです。
事業計画書のレベルも、簡単なものから始まり、規模が大きくなるに従い、 精密な計画が必要になります。
モノを作る時の設計図に相当し、飛行機の巨大な構造体から始まり、自動車、自転車等、 モノが小さくなるに従い、設計図も複雑なものから、簡単な方向に向いていきます。
今回は、個人での起業を想定しているので、それほど複雑な事業計画書にはなりません。
最初は、ラフな計画から始まり、詳細な計画に詰めていく必要があります。
事業計画書は、金融機関や事業の協力者への説明の際に必要なのです。
事業計画書=返済計画書ともいえます。
事業計画書とは、事業に対する夢をいかにして 実現していくかを具体的にあらわしたもののことです。
また、説明する必要がなかったとしても、 自分のプランは本当に実現可能かどうかを確認する意味で、 これは絶対に不可欠です。
これは、店を開く際、事業をシュミレーションしていき、 それをもとにつくっていくものです。
もし金融機関から融資を受けるのならば、
この事業計画書は金融機関に対する返済計画書になります。
「こういうふうな売上げが立ってこれくらいの利益が出て」、
「またこれをするためには初期投資にこれだけのお金がかかります」、
「ですからここの部分を融資してください」、
「このくらい利益が出てこういうふうにお返しできますから、
安心して貸してくださいね」、とアピールするための返済計画書。
つまり金融機関に対する説明書になります。
当社では、新規開店をご希望なさる方の
資金面についてもサポートさせて頂いているのですが、
この事業計画書がしっかりしていないと、色々な融資が受けられないのです。
逆にいえば、事業計画書がしっかりしていると
金融機関から非常に融資してもらいやすいということになりますね。
ビジネスは、感性の世界と数字の世界の両立ができて初めて成功する、
とよくいわれています。
うどん蕎麦店、ラーメン店開店において、コンセプトづくりは感性の世界、
事業計画書は数字の世界の確立への第一歩となるのです。
また、説明する必要がない場合であっても、
自分の事業が本当に実現可能なのかを確認する意味で、
事業計画書の作成は必要といえます。
何度も書き直すことによって、自分が本当にやりたいことや、
事業の成功する見込みがはっきりします。
事業全体の構想を文章で明確に説明し、
事業に対する自分の夢を、いかにして実現していくかを文章で、
具体的に表しましょう。
この事業が、今までの既存の事業が解決出来ていないお客さまのニーズを、
いかにして解決するかを明確に説明しましょう。
さまざまな市場データ(商圏分析、市場規模、業界のトレンド、
消費者の価値観の変化等)より、この事業の可能性、将来性ついて言及できます。
キチンと作成された事業計画書は、
始まる前に始めた後の事業の状態を表しているのです。
始めなくても、事業の行く先の状況が透けて見えてくるのです。
事業計画書に必要な項目は下記の通りです。
では実際に作成をしてみましょう。
① 事業計画書の構成
当社がお勧めしている正式な事業計画書はほぼ4部構成になっています。
これは、当社のHPから購入出来ます。
また、麺学校に参加すれば、簡易的な事業計画書を生徒さん全員に作成して貰い、 どの規模で、どんな店を開店すれば、どれくらいの利益が得られるかをシュミレーションします。
a)全体計画(総投資額、借入れ予定と返済方法、人件費概算)
b)月次売上計画
c)月次損益計画
d)3年間の損益計画
事業計画書作成には色んな方法が考えられますが、 下記で当社が行っている一番理解し易い、 計算し易い手順で述べていきます。
②総投資、借入金と返済方法、人件費算定
ここでは総投資額の算定、減価償却費、 借入金の月間返済額、月間人件費総額を算定するのが目的です。
まず、店舗の条件が決まっていればそれらを記入していきます。
a)フルサービスかセルフサービスか
b)物件の広さ
c)物件の家賃
d)見込人員
e)見込人件費
f)休日の有無
g)営業時間
以上の条件が決まるとまず、総投資額の算出です。
●総投資額の算出には次の項目の算出が必要です。
初期の事業計画書段階で、総投資額の目安を出す場合、精度は不要です。
最終的に物件が決まり、 金融機関等に事業計画書を提出する場合は ある程度の精度が必要になってきます。
● 物件取得費(保証金、権利金等物件を取得に当って必要な金額)
● 建築費(内装、外装費、厨房内工事費、建具、家具)
● 建築予備費(看板、追加工事費等)
● 空調費(冷暖房工事費)
● 厨房設備備品費(茹で釜、冷凍冷蔵庫、フライヤー等々の厨房設備)
● 製麺設備費(製麺機、熟成庫)
● 什器備品(食器、調理器具、備品、初期の消耗品費)
を算定していきます。
ここで、上記d)~f)はリースを適用することも可能です。
リースを使用する場合は現金支払いとリース支払いに分けます。
ここで総投資額が決まります。