うどんの画像

連載全3回のうち第2回目

作成:讃匠 麺研究センター

蕎麦用製麺機の違いと出来る蕎麦の違い

目次

1.製麺機の本質

製麺機の本質は、何だと思いますか。 実は、製麺機の本質は従業員の教育ツールだったのです。
最近、麺学校の経営講義に参加していると、 多くの生徒さんからの要望の1つが、 人材を育成する方法を教えて欲しいという希望が非常に多いのです。
多くの麺ビジネスのオーナーは、 人材育成で非常に困っている事例が多いのです。
実は、私は製麺機ビジネスを通して、面白い発見をしたのです。 それは、製麺機は人を育てるということです。 製麺機は人材育成マシンだということです。
うどん、蕎麦、ラーメンに共通して言えることは、 材料は非常に単純ですが、製法は非常に複雑なのです。 非常に複雑にブレンドしてこだわる人が増えているのです。

人材育成マシンに気づいたのは、 うどん業界でトップに上り詰めた丸亀製麺を見ていて気付いたのです。
丸亀製麺では全店で、製麺機を店頭に置いて、 実演自家製麺で大成功したビジネスモデルです。 国内だけでも800店以上展開しているうどん業界のガリバーです。 このような大規模チェーン店で、店頭で製麺機を全店に設置して、 実演自家製麺を行なうという発想は、 過去の外食経営者はまったく考えなかったアイデアだったのです。 従業員は製麺作業を通じて、教育されたのです。

これは、丸亀製麺だけの話ではなく、当社の営業員を見ても、 製麺のプロほど、素晴らしい成果を上げているのです。 更に丸亀製麺は完全なオープンキッチンで、 製麺作業がお客さまから見えるのですが、 製麺作業をお客さまに見せないで、 バックヤードで製麺すれば、従業員は常にお客さまには見られないので、 成長スピードが全然違うのです。 人の成長は、他の人に見られる方がはるかに速いのです。 丸亀製麺のもう1つの特徴は、実演自家製麺で麺作りの様子を見せながら、 お客さまを楽しませ、教育しているのです。 こんなに手間ひまかけて麺作りをしているということを見せているのです。

普段、うどん作りなど、見るチャンスのお客さまに取って、 製麺作業を見ることは驚きであり、楽しいことなのです。 これからの麺ビジネスだけでなく、 どんなビジネスにおいても、 お客さまをハッピーにするビジネスほど成功しており、 ハッピー度が高ければ高いほど、成功度が高くなっています。 その典型事例がアマゾンであり、アップルなのです。 下記は、最近の製麺機の役割の進化で、 製麺機の役割は単なる麺作りだけではないことが非常に良く分かると思います。 製麺機の活用には、こんなにたくさんの意味があったのです。

2.製麺機と蕎麦店ビジネスの関係

蕎麦店の種類は大きく分けて下記の6種類に分類されます。

① 立ち食い蕎麦
② ファミレスタイプ
③ 大衆蕎麦店(出前も行なっているような店)
④ 蕎麦カフェ
⑤ 高級蕎麦店
⑥ 超高級蕎麦店

上記それぞれのタイプごとに要求される蕎麦のレベルが異なってきますが、 それでも時代の流れで大きく変わってきているのです。
例えば、①立ち食い蕎麦でも50年以上前は製麺所で作った茹で蕎麦を提供するのが当たりまえだったのです。
ところが、50年前に東京都内で、小諸蕎麦が登場し、製麺工場で作った蕎麦の生麺を店内で茹でて、 茹でたてを提供する様に、それまでの立ち食い蕎麦とは一線を画していたので、大変話題になり、 小諸蕎麦は、100店舗近くまで、急速に店舗を伸ばしたのです。
最近では、立ち食い蕎麦でも店内自家製麺で、十割蕎麦迄出現し、 麺の上質を目指すのは天井知らずになっています。

②のファミレスタイプ、③ファミレスタイプ、④蕎麦カフェも立ち食い蕎麦同様に、 全て上質を目指し、品質の向上は目覚ましいものがあります。 これらの蕎麦は基本的に、ほとんどの店が機械製麺であり、品質にそれほど拘らない場合は、 ロール式製麺機、品質に拘る場合は、手打ち式製麺機を導入しています。 尚、一部の店舗では純粋な手打ちのお店もあります。

⑤高級蕎麦店は、以前はほとんどが手打だったのですが、 最近ではこのジャンルのお店も手打式製麺機で蕎麦を打つ店が増えています。 但し、製麺機はお客さまから見える場所には置いていないために、 お客さまは手打か、機械式製麺かは分からない状態で喫食している場合がほとんどです。
そして、このレベルになると、それまでのレベルとは異なり、 製麺機での製麺でも手打と寸分たがわぬ麺が打てる機械でないと使えないのです。 ⑦ 超高級蕎麦店は、今もほとんどが手打で、昔からの名店、或いは新進の名店がほとんどで、 価格も非常に高く、蕎麦だけでなく、料理としての完成度が高く、料亭のような蕎麦店もこれに入ります。

上図の様に蕎麦店の世界は、ジャンルが幅広く、これから更にジャンルの広がりが考えられます。 特に、これからのグローバル化を考えると、十割蕎麦のグルテンフリー対応、ビーガン対応、 ハラル対応等、さまざまな取り組みが重要になってきます。

続きはこちら

<<  1   2    3   >>