連載全2回のうち第2回目
作成:讃匠 麺研究センター
皆さん、先週で美味しい麺生地作りの話が終わりましたが、うどん蕎麦、ラーメン等、 一般的な麺の製法では、麺生地が完成すれば、薄く圧延する工程がその後に続きますが、 圧延しないでも麺線にして、美味しい麺を作れる方法があるのをご存じですか。 実は、その代表的な麺が刀削麺で、麺生地をナイフで厚さ2~3mmに削いでいく麺で、 ナイフで薄く削いだ麺線を勢いよく、沸騰している鍋に切り込んでいくと、 鍋の中で、短時間で茹で上げられて、食感のシッカリした美味しい麺が出来上がるのです。 まさに職人技の世界で、最近では刀削麺専用の人型のロボットまで作られています。 それ以外の圧延しない麺は、小さい穴から押出方式の韓国冷麺とか、スパゲッテイです。 それぞれ、特徴のある食感を楽しめる麺になっています。
厚い生地をいきなり強い圧力で無理に伸ばすと、グルテンに過度の圧力がかかり、 グルテン組織を傷め、最終的に破壊してしまう事に繋がります。 グルテン組織が破壊されてしまうと茹で時間が極端に長くなり、 麺が切れやすくなり、歯切れや食感の悪いうどんになってしまいます。 例えば、きちんと作られたうどんであれば、8分程度の茹で時間であるのに対して、 無理なミキシング、プレス、圧延等により、茹で時間は簡単に2倍になります。
生地の表面がなめらかで、つるりとした状態に仕上がります。 茹でた後の口当たりもよく、もちもちとしたのどごしの良い麺に仕上がります。 歯を立ち込めた時に程よい弾力と強い粘りのあるうどんになります。
適切に圧延されているうどん生地は表面が滑らかですが、 決して鏡面の様に表面が詰まり過ぎてないことが大切です。麺生地の表面を圧延ロールにかけ過ぎると、表面が鏡面の様になり、 出汁が乗りにくくなります。 カットした麺線の断面図を見ても美しいほぼ長方形の形を長く保つことができます。 逆にグルテン組織を破壊してしまったうどん生地は表面にただれやひび割れなどがあり、 茹でたあとにも茹でふくらみが少なく、断面形状の四辺が凹んでいないなどの原因となります。 理想的な煉りによる美味しい麺の形状とは以下の通りです。美味しいうどんを見分けるのは簡単で、食べてみる必要はありません。茹でたうどんの麺を見るだけで簡単に分かり、見分け方は下記の通りです。
圧延した後は、茹でる場合は、出来るだけ速やかに茹でます。 生麺保管の場合は、急速冷凍が一番望ましいです。
うどんの製法は、炊飯と比べるとかなり複雑な工程を踏まないと美味しくならないのです。 重要なことは、うどんの本質の理解で、小麦粉が生み出す芸術作品であり、 餅状食感の食べ物というのが、うどんの本質ではなかろうかと思います。 大和製作所では、うどんの製法についての教科書があります。 2024年に完全リニューアルされました。 気になる方はぜひお問合せください。
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