連載全4回のうち第3回目
作成:讃匠 麺研究センター
①器の選定
コンセプトが明確になれば、コンセプトに合った器の選定が重要な要素ですが、
盛付は本人のテクニックだけではなく、食器のデザイン、色、形状等といった
食器自体の様々な要素に大きく影響を受けます。
従って、盛り付けの綺麗さの半分は、
食器選びで決まると言っても過言ではありません。
ラーメン丼の場合、口が大きくて底まで広い丼もあれば、
縁から底にかけて小さく窄まった形の丼もあります。
他には縁が大きく広がったものや、切り立った形などもあります。
商品を引き立てる最適な食器探し出すため、
食器選びから手を抜かないことが非常に重要です。
一般的に、スープを張るタイプの盛付は、スープの表面の面積の大きい器は盛付が難しいです。
そして、表面積が大きいほど、スープが冷めやすくなります。
また、ぶっかけのような盛付は、浅く、広い器の方が、盛付が簡単です。
従って、用途によって、器の形状も全く変わってしまいます。
②食器の余白
盛り付けを綺麗に見せるには、食器の余白が重要になってきます。
余白は絵画でいう額縁のようなもので、
しっかりとした額縁がある事によって商品がより綺麗に見え、
インパクトが増します。
余白が少ないと商品が窮屈になり、上品さがなくなり、
綺麗な盛り付けも綺麗に見えなくなる場合があります。
③食器の形状
ラーメンには温かいスープのラーメン、つけ麺、まぜ麺など様々な種類があります。
食器の形状によって、商品の見え方はもちろん、味わいにも影響してきます。
なので、何種類かの商品を提供する場合は、商品によって食器を変える必要があります。
温かいスープのラーメンに関してはできる限り温かい状態を保つことが重要です。
口が大きく、底も広いタイプはスープも麺もたくさん入れなければいけない形で、
空気に触れる表面積も大きいことから、スープがすぐに冷めてしまいます。
従って、一番良いのは縁から底にかけて小さく窄まった、切り立ち型の丼です。
深底でスープの表面積が狭いことによってスープが冷めにくい形となっています。
つけ麺の場合は、ほとんどの場合、麺の上にじかにトッピングが乗る場合が多いので、
丼の底の浅く、上辺の口の広いものを使います。
まぜ麺の場合は、麺、トッピング、タレを混ぜ合わせやすい丼の形状が必要になります。
丼の底が深く、口が小さすぎては、まぜ麺を綺麗に混ぜることは難しいため、
味にムラができ、一番美味しい状態で味わうことが出来なくなってしまいます。
なので、まぜ麺には混ぜやすさを考慮し、深すぎず、口が大きい形状の丼が最適です。
④食器の柄や色
食器の中には無地や柄つきのものがありますが、柄が付いている場合、
食器だけで見たときに綺麗に見えても、それ自体が主張してしまい、
視覚的に盛り付けられている料理の邪魔になり、却って盛り付けが難しくなることがあります。
特に色の強い料理などを提供するときは引き立て役になってくれる白い食器、そしてなるべく明るい色のシンプルなものを使用する事をお勧めします。
3.盛り付けの実際の方法
①色彩や配置によって料理を視覚的に演出する
まず、盛付のレベルを上げなければなりません。
その方法は、良い作品をたくさん見ることです。
そして、
a)見たものを正確に真似る(守:コピー)
b)自分なりの考えで作ってみる(破:改善、改良)
c)自分オリジナルなものを作り上げる(離:イノベーション)
守破離の活用が重要です。
②プロの飲食店の盛付と家庭料理の盛付の違いは何か?
a)プロの盛付:見た目の綺麗さ、インパクト優先で、食べやすさにはこだわらない
b)家庭料理の盛付:食べやすさ優先
③盛付をきれいに見せる要素はどの様なものがあるのか?
a)彩り:視覚的に重要
器・スープ・麺・トッピング、それぞれのコントラスト
例)「基本の5色」
赤・黄・緑・白・黒の5色を使用します。
栄養バランス、高さ、立体感のある盛付、白髪ねぎで最後の高さを出す、
バランス、丼にトッピングを盛り付けすぎないこと
料理のボリウムと器のサイズのバランスが重要です。
b)麺線をどのように見せるか
彩りを整えると見た目に美しいだけではなく、
おいしさにもつながり、栄養バランスも整います。
③食材の選定とカット方法がなぜ重要か?
カットの仕方によって、プロの料理か、素人の料理かの判断がされるからです。