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連載全6回のうち第2回目

作成:讃匠 麺研究センター

麺ビジネスの成長は、ビジネス・オーナーの成長が必須

2.経営者に要求される素質、能力

私は半世紀の長きにわたり、経営者を続けて来て、経営者に要求される能力として、 常に磨き続けていかねばならない能力をして、 まず最初に上げたいのは、メンタル・タフネス、要するに精神力の強さで、 私はビジネスの成果を次のように表現しています。

ビジネスの成果=情熱×夢×責任×意志力×集中力×経験×直観力×忍耐力

① ビジネスを志す場合、情熱が持てること以外はやってはいけないのです。

ナイキの創業者のフィル・ナイト氏の言葉に、次のようなものがあります。 〈よく「レストランを開きたい」と言う人がいる。
しかし、レストランの厨房で1日23時間働く覚悟がなければ、また、稼ぎがまったくなくても 「この仕事が本当に好きだから」と言えるようでなければ、やめたほうがいい〉

② 大きな夢が情熱の源泉

情熱の炎を燃やす燃料は夢であり、野望であり、妄想です。
夢があれば、前を向いて進み続けることができます。 
夢を失えばすべて消えてしまいます。大きな夢を持つことが情熱の源泉なのです。
さらに情熱の炎を燃やし続ける燃料は、屈辱感です
大きな夢を持てば持つほど、達成できない屈辱感も大きくなります。
なかなか、思ったような成果が出てきませんが、屈辱感こそ、野心、夢の入り口です。
多くの人たちに貢献する健全な野心や夢こそ情熱の素であり、エネルギーです。
   同じ能力を持っていても、偉大なことを成し遂げた人とそうでない人の違いは、夢の大きさです。
人の能力の差は、ほとんどないと言われていますが、数十年間にわたる人生の結果に大きな差が出るのは、 夢の大きさです。

③ 情熱の根底には、責任があるのです。

今回のコロナのように、ビジネスは何が起きるか分からないものですが、厳しい状態になったり、 困難な目に遭ったときに、決して、諦めない、逃げ出さないのは、情熱であり、責任の重さです。
そして、対に諦めない理由が、お客様、社員、家族に対する責任の意識なのです。

以下は、私の実体験です。
当社、大和製作所は、ユーザー様に納入した機械の寿命が続く限り、 メーカーとして責任を果たす義務があります。
少なくとも10年や20年は責任があります   製麺機を日々納入していることを考えれば、永遠に健全な会社であり続けなければならないのです。
   経営の苦しいときも持ちこたえることができたのは、こうした責任の重さを肝に銘じていたからです。
経営していると、お客様の数も増え、スタッフの数も増え、責任の重さはますます大きくなります。 
  責任の重さが大きければ大きいほど、ビジネスは成功しやすいのです。
簡単に投げることができませんから、責任の重さは自覚の深さです。 自分自身で、責任の及ぶ範囲を広げれば広げるほど、責任を重く感じるようになります。

④ 意志力の差で人生は変わる

『スタンフォード大学の人生を変える教室』(ケリー・マクゴニガル著、大和書房刊)では、 豊かな成功の人生を送ることができるのも、そうでないのも一番大きな要素は、 意志力の差であったと述べています。
   例えば、90歳以上の長命で、豊かな生涯を送ることができる人とそうでない人の差は意志力の差であり、 意志力は次の3つから成り立っています。

1)止める力
      例えば、タバコが身体に悪いとわかって、止める力です。
2)始める力
      例えば、早起きが良いとわかって、早起きをする力です。
3)望む力
      例えば、自分が望む方向に向かっていく力です。

⑤ 集中してそれに取り組む

太陽光線を虫眼鏡で集め、紙の上に焦点を絞ると、太陽の光でも紙を燃やすことができます。
集中は大きな力になります。 何かの仕事で成果を上げようとするためには、集中してそれに取り組むことが大切です。
一度に、2つ以上の仕事をしようと思わないで、1つに集中することで、成果が早く得られるのです。
偉大なことを成し遂げるには集中力は必須であり、重要でないこと、必要でないことはすべて排除し、 重要なことだけに集中するだけで良いのです。

⑥ 問題意識を持って経験を積む

経験と直観力は密接な関連があります。
経験の数が多ければ多いほど、直観力は高まります。
だだし、経験を積む場合でも、常に問題意識を持って経験を積むことが大切です。
経験の量と深さは、非常時に役立つのです。

⑦ 直感を磨く

直観が慟くことによって、短時間で簡単に望む結果を得ることができ、ビジネスにおいて、 直観を磨くことは欠かせないのです。
直観とよく似ているのが、習慣です。
ただし、習慣は身体の動きを伴う癖付けですが、直観は頭脳の習慣のようなものです。

(考察)今回のコロナの発生時、この事態は2度と元へは戻らないと直感し、さまざまな対策が打てたのです。
新しく始めた新規開発、オンラインビジネスもその1つでした。

⑧ 忍耐力

忍耐力は、上記の8つの中で最も重要な要素であり、全体の割合の約半分を占めるくらい重要なテーマです。
ビジネスは、一種の仕組み(システム)ですから、必ずタイムラグがあり、 今日からサービス・レベル上げたり、商品力を上げても、結果が出るのは、ずっと後からです。
そのため、忍耐力がないと、タイムラグがあったり、厳しい状態になったり、困難な目に遭ったときに、 諦めたり、くじけてしまうのです。

⑨結論

以上を総括して言えるのは、経営者を目指す方々は、 スーパーマンでなければならないと言うことです。

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