連載全4回のうち第3回目
作成:讃匠 麺研究センター
H.複合工程の前に熟成をしよう熟成とは、ストレスのかかった生地(グルテン組織)を休ませることで、 ストレス(内部応力)を緩和する工程をさします。熟成は、ミキシングが終わって複合工程に入る前に行いましょう。 また、複合工程後にも熟成は必要になります。
複合工程の前に行う熟成工程には、下記の役割があります。 a)小麦粉の水和 ミキシングを終えた段階では、生地の中の水は均一ではありません。 そぼろ状の麺生地に水が行きわたってしっとりするまでには、 ある程度の時間と温度が必要です。 b)脱気作用 ミキシングの際に生地に取り込まれた小さな気泡を抜きます。 これは、生地全体がゆるいそぼろ状の時に寝かせなければ抜けません。 気泡が残ったまま製麺すると、茹でる時にグルテン組織を破壊したり、 茹であがった麺が白く不透明になったりします。 熟成工程:ミキシング後の生地を加水により異なりますが、 多加水の場合は「25℃3時間」もしくは「28℃2時間」寝かせます。 これは、少加水の場合は、加水状態によって短縮されます。 また、季節による温度変化の影響で、熟成時間・温度の調整が必要です。 詳しくは、弊社のラーメンの製法教科書を参考にして下さい。
I.複合工程の後にも熟成が必要になる 美味しい麺を作るためには、ラーメンの複合工程の後にも 熟成が必要になります。 特に多加水の場合には、複合した後にも生地の状態で熟成させます。 40%以下の加水の場合でも、麺線の状態で熟成が必要です。 複合前の熟成とは役割が異なり、「小麦の中の酵素」を 程よく働かせることが目的です。 「程よく」熟成した麺は、透明感が出てコシ(粘り)が増しますが、 季節による温度変化など、外部環境の影響を受けるため、 この「程よく」が難しいのです。
J.熟成しないとどうなるか? 一番分かりやすい影響は、複合以降の工程で グルテン組織が破壊されて麺が切れやすくなります。 非常に時間がかかる工程ですが、美味しい麺を作るためには、 熟成は欠かせません。 この熟成の製麺法は、大和製作所が業界で初めて提唱した技術です。 仕入れ麺を使っている方が、大和製作所の製法で作った麺を食べた時に、 その差に愕然とすることがよくあります。 一番大きな要因として、熟成工程の有無が影響しているからです。 大和製作所では、業界初の「熟成庫」をつくっており、 安心して熟成ができる仕組みをご提供しています。 仕入れ麺を使っている方は、あなたの仕入先では、 この「熟成」をしているでしょうか? 自家製麺をしていて、まだ熟成をしていないようでしたら、 まずは一度お試しください。
③ まとめ ・複合とは、麺生地同士を(圧延をかけながら)合わせて鍛えること ・複合回数は、2~3回が目安 ・複合の前後には、必ず熟成が必要 毎日の自家製麺は大変ですが、 お客様に「美味しい!」と言って頂ける美味しい麺を作る チャンスでもあります。 ぜひ、情熱のこだわり麺で美味しいラーメン創りましょう!
ラーメン店の種類は大きく分けて下記の6種類に分類されます。 ① ラーメン専門店 ② 中華料理店 ③ ラーメンチェーン店 ④ 餃子専門店 ⑤ ファミレス ⑥ 屋台ラーメン・フードトラック
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