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連載全3回のうち第3回目

作成:讃匠 麺研究センター

麺ビジネスにおける、多店舗経営に移る時の問題点

目次

A. 多店舗展開のおける、私が感じている問題点

前回からの続き、「8.世の中は、次々と変化しているので、世の中の変化にビジネスモデルが対応できているかどうかのチェックを常に行なう」からです。  
8.世の中は、次々と変化しているので、世の中の変化にビジネスモデルが対応できているかどうかのチェックを常に行なう
4年前に突然、発生したコロナは、外食企業を筆頭に、多くのビジネスを死に至らしめたのです。
4年前の4月には、一挙に当社も国内売上が半減し、国際部の売上はほぼゼロになりました。
それまでの国際部の営業は、世界各地のお客さまを訪問して、ビジネスを行なっていたのですが、 コロナになり、それが全く出来なくなり、オンラインイベントだけで、製麺機が売れる仕組みを作り上げました。
当初は、製麺機のような高額商品は、オンラインでは絶対に売れないと言われていたのですが、今では嘘のようになりました。
更に、それから4年経ち、当社のビジネスモデルを大きく変更を続けているのです。
その為の対策の1つ目として、 麺ビジネスに必要なことをすべてオンラインで学ぶことが出来るe-learningの改善、改良を続けているのです。
更に2つ目の対策として、当社の営業員として働きながら、お客さまの製麺機のメンテナンス、販売、麺指導等を通じて、 開店資金を貯めながら、同時に、麺専門店ビジネスに成功するノウハウ、スキルを、 仕事を通じて学べる『大和麺専門店開業道場 第一期生募集』をスタートしました。
既に、当社に12年前に新卒で入社し、6年間当社で勤務した後、ラーメン店を開業して大成功し、 今回その店舗を後継者に譲り、Amsterdamで新たにラーメン店を出店する事例があります。
以上は、当社の事例ですが、麺ビジネスにおいては、生産性向上が今後の重要なテーマになります。
生産性向上の対策としては、ファーストフード化によるテークアウトビジネスの強化、次のテーマは、 アイドル時間を無くするカフェ化ですが、シンガポールでは、以前から、スターバックスの店内で麺類が提供されているのです。
香港では、以前からコンビニのセブンイレブン店内で、麺料理の調理が行われ、イートイン或いは、テークアウトが出来るのです。
     
9.マーケットの限界を理解する
同じビジネスモデルで成功を続けていくと、限られた市場では飽和状態になり、それ以上展開すると、 店舗間の食い合いが生じます。
従って、マーケットの限界を知ることは大切です。
更に、ビジネスモデルによっては、ライフサイクルによって、寿命のあるビジネスモデルが存在します。
今後20年間で、日本の人口が約2千万人減少すると言われており、 だから、ライフサイクルで頂点に達する前に、次々と時代にあった新しいビジネスモデルの開発が重要になります。
既に出来上がって成功しているビジネスモデルをM&Aで入手すると時短になるように思えますが、マクドナルドとか、 スターバックスのような大きく育つものは、簡単に入手出来るようなものではないと思います。
ここでも、常に消費者を見つめ続け、お客さまの問題解決に取り組むことが大切になってきます。
     
10.次の新しいビジネスモデルの準備を怠らない
最初の店舗のビジネスモデルが確立し、しっかり利益が出るようになってから2店舗以降の展開を行なうことです。
2店舗以降の多店舗展開に踏み切る場合は、必ず、拡大再生産が出来るビジネスモデルを作り上げてから、 多店舗展開出来る人材を確保してから、チェーン展開を始めることです。
チェーン展開の成功 = 新しい最適なビジネスモデル発明    チェーン展開には、拡大再生産が出来るビジネスモデルの発明が欠かせないのです。
   私は企業トップの最も重要な仕事としては、常に新しいビジネスモデルの発明ではないかと思います。
   少し難しい話になってきましたが、アップルのビジネスモデルが外食の店舗展開に似ているので、例えてみます。
2001年にアップルから、i-phoneの原型に当たるi-podが発売され、 それまでのウオークマン等の課題をすべて解決した画期的な音楽専用の小型コンピュータだったのです。
これがアップルの小型コンピューターの第一弾でした。
次にi-phoneが登場したのが2007年でしたが、これは電話機ではなく、電話もできる第二弾の小型の汎用コンピュータで、 PCのように、MPU(マイクロプロセッサー)がコアで、その上にOSが載り、様々なアプリが走り、 われわれの生活には欠かせない必需品になっているのです。
その後、i-padが2010年に発売され、i-phoneにはなかった大きなスクリーン付きの第三弾の小型コンピュータでした。
これらはすべて新しい、画期的なビジネスモデルで、私たちの生活を大きく変えたのです。 その意味で、いずれのビジネスモデルも今までになかった、新しいイノベーションを起こし、私たちに新しい価値を提供したのです。
その後、アップルのそれぞれのモデルは、改善改良を加えながら、未だに進化し続け、売れ続けているのです。
外食でのこのような画期的なビジネスモデルの最初の世界的な成功事例は、マクドナルドと言えます。
次の大きな成功はスターバックスで、いずれも私たちの習慣を変え、社会に大きな衝撃を与えたのです。
以上のように、外食の世界でも、お客さまの新しい課題を解決し、世の中を変えるような新しいビジネスモデルを作り上げることが、 本当は、一番大切なことではないかと思います。
 
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